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理不尽で悪質なクレーマーを撃退!初心者でもすぐに使えるクレーム対応術

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長期化必至!?
クレーム対応で失敗する5つの原因とは

 クレーム対応の際に、担当者が何気なく言った一言や誤った対応がお客様を激怒させ、クレームが余計にこじれてしまうこともあります。クレーム対応を失敗させないためにも、失敗してしまう原因をあらかじめ理解しておくことが大切です。

<この記事の著者>
 クレーム対応アドバイザー 武中俊浩※
クレーム対応は担当者の精神的負担が大きい仕事ですが、解決しないクレームはありません。クレームをスムーズな解決に導く流れやテクニックについて、わかりやすく解説していきます。

目次


一人一人に合わせた対応を心掛ける


 クレームを訴えてくる人は、性別も年齢も性格もさまざまですので、一律のクレーム対応には限界があります。ある程度マニュアルに基づいたクレーム対応は必要ですが、最終的には相手の状況に合わせた親身な対応を心掛ける必要があります。

 例えば、家電製品の不良についてクレームを受けたとしても、知識量は基本的にお客様よりも店員のほうが勝っています。店員にとっては当たり前の専門用語でも、一般のお客様には通じない言葉がたくさんあります。

 詳しくない人にとって、わからない専門用語を多様して説明してくる人に好印象を抱くことはなく、知識をひけらかしている、上から物を言ってきているといった悪い印象を持つようになります。

 まして、お年寄りや子供のお客様であればなおさらです。どんな丁寧な説明も、相手に伝わらなければ意味がありません。ついつい専門用語を使いがちですが、お客様に対しては誰でもわかるような言葉に変換し、「伝える」ということに主眼をおいた説明を心掛けましょう。

ポイント
お客様は性別も年齢も性格もさまざまですので、クレーム対応はマニュアルにとらわれ過ぎず、相手の立場に立って物事を考える姿勢が大切です。

お客様のプライドを傷つけない

 お客様が商品に対してクレームを訴えてきたとしても、調査の結果、お客様の使い方が悪くて動作しなかった、お客様の単純な勘違いだった、なんてことがよくあります。

 説明書はついているものの、よく読まずに操作する人もいれば、説明書がわかりにくくて間違った操作をする場合もあります。

 ここで大切なのは、お客様に対して恥をかかせないということです。お客様は「絶対に商品が悪い」という確信のもとで、怒りのこぶしを振り上げてお店に来ています。

 「お客様の勘違いでした」となった場合、お客様は恥をかくばかりか、振り上げた拳の行き先がなく、店員の言い方次第では行き場をなくした怒りの矛先が店員の接客態度に向かいかねません。

 ここで大切なのは、どんなにお客様の勘違いであったとしても、「そのような勘違いをさせた自分たちに問題があった」という態度を示すことです。そうすることで、お客様の行き場のなくなってしまった怒りは次第に治まります。

ポイント
クレームの原因の1つに「お客様の勘違い」がありますが、お客様に恥をかかせることなく、勘違いをさせてしまったこちらに問題があったという姿勢を見せることが円満解決の近道です。

理屈を言ったり言い訳をしない

 クレーム対応をする担当者も人間ですから、お客様から理不尽なクレームを受けた場合、さすがにイライラして感情的になってしまうことがあります。しかし、ここでイライラして言い返しても何の得もありません。

 お客様は「商品やお店が悪い」と完全に思い込んだ状態でクレームを訴えてきています。もちろんその通りであったり、お客様の誤解であることもあります。

 ここで重要なのは、どちらに過失があるにせよ、理屈を並べ立てて自分を正当化し、いかにもお客様に非があることを認めさせるような振る舞いは絶対にしてはいけません。

 ただでさえ、怒りに満ちた感情で訴えてきているわけですから、不用意な発言によって収集がつかなくなる場合もあり、クレームの長期化につながります。

 また、ここでお客様を論破するということは、そのお客様には不快感だけが残り、今後お客様でなくなることを意味します。

 どんなにお客様に非があったにせよ、こちらがお客様に対して不快な思いをさせてしまったという姿勢をとることで、お客様自身でも自分の非を認められる環境がつくられ、円満な解決に導くことができます。

ポイント
難しい言葉を並べ立て、お客様を論破しようという姿勢は、余計にクレーム解決を難しくします。仮に言い負かしたとしても、お客様を失ってしまうと覚えておきましょう。

どんなに急いでも雑な対応は本末転倒


 クレーム対応を早く終わらせたい、早く逃れたいという一心で、担当者が対応を急ぎ過ぎてしまうことがあります。迅速な対応はクレーム対応の基本ですが、急ぎ過ぎるあまりにいい加減な対応になってしまうのは本末転倒です。

 事実関係をよく確認もせずに説明したとしても、到底お客様の理解を得ることは難しく、むしろいい加減な対応をしていることに立腹され、余計にクレームがこじれてしまうことがあります。

 迅速な対応はもちろん大切ですが、もっとも大切なのは素早く対応して、正確に結論を出すということです。くれぐれも中途半端で誤解を招くような回答をお客様に対して行わないようにしましょう。


クレーム対応から逃げない


 誰しもクレーム対応は嫌なものですが、クレーム対応から逃げてしまうと、本来すぐに解決できた小さなクレームでさえも大きなクレームに発展し、解決が長期化することも少なくありません。

 お客様は商品やサービスに不満を抱いて訴えてきている訳ですが、お店や会社が不満を受け止める気がなければ、お客様の怒りはますます膨張していきます。

 お客様にとっては不満な気持ちを聞いてほしいだけであったにも関わらず、会社のいい加減な対応によって気持ちの行き先がなくなり、怒りの矛先が商品やサービスではなく、お店や会社に対して向かうようになります。

 一度このようにこじれてしまうと、そう簡単に収束させることは難しく、お客様から訴訟を起こされてしまうこともあります。

 最初にきちんと話を聞いていれば解決できた内容も、対応次第では訴訟を起こされて長期化する訳ですから、双方にとって良いことではありません。

ポイント
クレーム対応は担当者にとって精神的な負担がありますが、クレームから逃げる姿勢を取れば、余計に解決から遠のいてしまいます。二次クレームに発展させないためにも、向き合う姿勢を見せるようにしましょう。



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