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理不尽で悪質なクレーマーを撃退!初心者でもすぐに使えるクレーム対応術

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クレーム対応は個人ではなく組織で行う

 クレーム対応を行う担当者には非常に大きな精神的負担がかかりますので、担当者個人の問題ではなく、組織の問題として捉えることが重要です。一度起きたクレームは再度起きる可能性がありますので、社内でしっかりと情報共有を行うようにしましょう。

<この記事の著者>
 クレーム対応アドバイザー 武中俊浩※
クレーム対応は担当者の精神的負担が大きい仕事ですが、解決しないクレームはありません。クレームをスムーズな解決に導く流れやテクニックについて、わかりやすく解説していきます。

目次


クレーム対応は個人の問題ではない


 お客様からのクレーム対応を担当のAさんがした場合、「そのクレームはAさんの問題」と考えている組織があるとしたら、それは大きな問題です。お客様はその会社が販売している商品や、提供しているサービスに対してクレームを訴えている訳ですから、クレームはもちろんAさんの問題ではなく、会社の問題です。

 また、Aさんの接客態度やサービス内容が悪いというクレームが来た場合でも、やはりAさんの問題ではなく、会社の問題です。そのようなクレームを起こしたAさんを悪者にする会社がありますが、従業員への教育もまた会社の責任です。

 もし会社がクレーム対応をAさんの問題と放置した場合、Aさんはお客様から責め立てられ、会社からもAさんの責任とされることで、Aさんは完全に板挟みとなってしまいます。

 場合によっては、Aさんが責任を感じて退職に追い込まれてしまうことだってあります。そうすれば、会社として貴重な「人」という財産を失うことになるほか、その会社の姿勢を見た他の従業員にも飛び火しかねません。

 もちろん、担当者が自分の問題として責任意識を持つことは非常に大切ですが、「クレームはあくまでも会社の問題」であると組織内で認識し、受けたクレームが社内の上長に報告される体制づくりが欠かせません。

社内での情報共有を徹底する

 前述のとおり、クレームは担当者個人の問題ではなく、組織の問題です。組織に所属している以上、誰しもクレームを受ける可能性があります。そのため、商品やサービスにどのような問題を抱えており、どんなクレームを受ける可能性があるのかを、知っておく必要があります。

 そのためには、クレームを情報共有してクレームの再発防止を講じるのはもちろんのこと、どんな担当者がクレームを受けても対応が同じになるようにしなければなりません。

 担当者によって対応にバラつきがあることは、二次クレームに発展するリスクがあります。Aさんは返金対応をした、Bさんは商品の交換をした、Cさんはお詫びの品をくれた、などのようにバラつきのある対応をしていると、お客様はその店舗や会社に対して不信感を抱くようになります。

 また、インターネットの書き込みサイトやSNSがこれだけ普及している以上、個別の対応がすぐに公になり、不公平だとの反発を招くこともあります。場合によっては、「客を見て態度を変えている」などと疑われてしまいます。

 このような事態にならないよう、クレーム事例と対応方法については社内でしっかりと情報共有し、従業員教育を徹底する必要があります。

上司の存在が担当者とお客様を安心させる

 担当者によるクレーム対応がうまくいかなかった場合、お客様から「上司を出せ」「店長を出せ」「責任者を出せ」などと言われることがあります。これは、お客様が担当者の対応に納得がいっていない場合です。

 この時のお客様の気持ちには2通りあり、1つはそう言うことで担当者にもっとしっかり対応してほしいという気持ち、もう1つは責任者である上司が出てこないと解決できないと思っている場合です。

 対応が上司に代わることで、お客様は自分が訴えているクレームの重要性を理解してもらえたという1つの達成感が生まれ、気持ちが少し晴れることで解決への話し合いが進みやすくなります。

 また、担当者にとっても上司が控えているという安心感があり、担当者の精神的な負担を軽減することができます。

 ただし、せっかく上司にバトンタッチしたとしても、上司が状況をわからずに対応すれば、お客様にとっては何度も同じことを言わされたことになり、せっかくの転機も台無しになってしまいます。

 そのため、上司に対応を代わる際には、クレーム内容はもちろんのこと、これまでの経緯や対応状況、お客様が納得していない点について、しっかりと引き継ぎをすることが大切です。




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