クレームを解決に導くためには、担当者とお客様の距離を縮め、信頼関係を築くことが最大の近道となります。お客様に対してただひたすらにお詫びを言うのではなく、距離を縮めるお礼とお詫びの言い方を身につけておきましょう。
クレーム対応だからと言って、ただがむしゃらに「申し訳ありません」を連呼しても、円滑な解決にはつながりません。お客様にとっては、クレームを訴えているのだから謝罪されるのは当たり前だからです。
クレームの内容にもよりますが、クレームを訴えているお客様の要求がすべて通ることはあまりなく、ある程度のラインでお客様に納得してもらう必要があります。
そのためには、お客様の心情が「まぁ、いいか」「このくらいにしておくか」という気持ちに至る環境をつくる必要があり、そのためにはお客様と担当者の間に信頼関係や親近感を芽生えさせることが大切です。
人間誰しも、自分と価値観を共有できる人や、自分のことをわかってくれる人に対して親近感を感じますので、その人に対して悪い感情を抱くことはありません。
車に不具合があってクレームを訴えた時、担当者が同じ車に乗っていると親近感が湧きますよね?同じ価値観を共有している相手だとわかると、心を許しやすくなります。
逆を言えば、事務的な対応に終始してしまうと「お前に一体何がわかる?」などと敵対心を持たれてしまい、クレームの解決に時間がかかったり、二次クレームに発展する可能性があります。
そのため、クレームの初期対応としてお客様のお話を伺っている際に頭の中でキーワードをしっかりと拾い上げ、お礼の言葉やお詫びの言葉にキーワードを絡めることで、お客様と担当者の距離を縮めることができます。
クレーム対応と言うと、怒っているお客様に対してひたすら謝罪するイメージがありますが、お礼の言葉を上手に使うことで円滑にクレームを解決に導くことが可能です。
例えば、「長年おたくの商品を愛用してきたのに」「昔からずっと通っているのに」という言葉がお客様からあった場合、ただ「申し訳ありません」と言うのでは、お客様の言葉を聞き流したも同然です。
この言葉に対して、「いつもご使用いただいてありがとうございます」「長年のご愛顧ありがとうございます」というお礼の一言をお詫びの言葉の前につけることで、お客様の心情は大きく変わります。
また、お客様の状況に寄り添ったお礼を伝えることも大切です。「せっかく子供が喜ぶと思って買ったのに」「ずっと買うのを楽しみにしていたのに」などと不満を漏らしているお客様に対しては、以下のようなお礼の言葉を伝えます。
このようなお礼の言葉を伝えた上で、「にもかかわらず…」とお詫びの言葉を続けるようにすると、お客様との距離が縮まりやすく、話がスムーズに進むようになります。
相手の状況に配慮したお礼の言葉を伝えた上で、お詫びの言葉にも相手の事情に適したお詫びの言葉を使うと、さらにお客様との距離を縮める上で効果的です。
ここで言うお客様の事情とは、クレーム内容にそのまま当てはまりますので、「サービスで不快な思いをした」「商品が壊れて使えなくなった」など、さまざまな事情があります。
それに対して、ただ「申し訳ありません」「すいません」などという事務的なお詫びを伝えるのではなく、「お客様への配慮に欠けていたようで申し訳ありません」「ご不便をおかけしまして申し訳ありません」のように、「何があったから申し訳ないのか」を伝えるようにします。
そうすることで、お客様は「担当者は自分の話を聞いている」「自分がお店にとって大切なお客だと認識している」と感じ、担当者に対して親近感や信頼感を抱くようになります。
このように、お客様と担当者の間に親近感や信頼感があるのか、ないのかによって、クレーム対応は大きな分かれ道となります。
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