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理不尽で悪質なクレーマーを撃退!初心者でもすぐに使えるクレーム対応術

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クレームはどうして起きるの?
目線の違いや期待とのギャップ

 クレームは星の数ほど存在しますが、クレームの原因を大きく分類するとわずか3つとなります。お店側とお客様との目線の違い、期待感とのギャップを理解しておくと、クレーム発生を未然に防ぐこともできます。

<この記事の著者>
 クレーム対応アドバイザー 武中俊浩※
クレーム対応は担当者の精神的負担が大きい仕事ですが、解決しないクレームはありません。クレームをスムーズな解決に導く流れやテクニックについて、わかりやすく解説していきます。

目次


クレームの原因は3つに分類できる


■ 最も多いのが商品やサービスの不備
 クレームの対応方法を学ぶ前に、クレームがどうして起きるのかを知っておく必要があります。原因を知っておけば、クレームを原因別に分類し、適切な対応を取ることもできます。

 クレームの原因は大きく分けると、以下の3つに分類されます。

  • 商品やサービスに不備がある
  • 接客態度が悪い
  • お客様が勘違いしている

 クレームの原因で一番多いのが、「動かない」「すぐに壊れた」「変形している」「変な臭いがする」「事前の説明と違う」など、商品やサービスの品質に問題があったケースです。

 お客様が支払った対価に見合わない品質であったり、お客様が求めていたものと異なっているために、お客様が不満を抱いてしまいます。

 特に、お店や会社側がお客様に勧めて商品を購入させたり、サービスを受けさせた場合は、その商品やサービスに問題があると強いクレームになる可能性が高いと言えます。

■ 接客態度のクレームも非常に多い
 2つ目は接客態度への不満であり、これも代表的なクレームです。お客様は商品やサービスに対価を支払う以上、それに見合った接客を受ける権利があると考えていますので、態度や言葉遣いに問題がある場合はクレームに発展します。

 この場合はお客様と接客に当たった担当者同士での解決が難しく、お店や会社の責任者が出て行った方がスムーズな解決が望めます。

 3つ目はお客様の勘違いや思い込みによるもので、原因が判明すればすぐに解決できるクレームです。

 しかし、どんなにお客様の勘違いが原因であったとしても、お客様に恥をかかせるようなことをすれば二次クレームに発展することもありますので、対応には注意が必要です。

ポイント
クレームの原因の多くは商品やサービスの不備と接客態度によるものです。お客様の勘違いによるものもありますが、お客様に恥をかかせれば二次クレームに発展してしまいます。

クレームはお客様の期待感とのギャップから起きる


■ 期待が大きいほどクレームも激しくなる
 わざとクレームをつけて金品をもらおうとする一部の悪質クレーマーを除き、クレームはお客様の期待に応えられなかった現れでもあります。お客様は商品やサービスに対して、お金という対価を支払っている訳ですから、当然のことながら何かを期待していたり、楽しみにしていたりします。

 まったく期待もせず、どうせダメだろうという商品やサービスにわざわざお金を出す人なんて、存在しないと言っても過言ではありません。この期待感はどんな人も経験したことがあると思います。

  1. 記念日に奮発して温泉旅行を予約した。
  2. いつも使っている化粧品よりも高いけど、効果があると書いてあるから買ってみた。
  3. 暖房器具が古くなったので、店員がお勧めする新商品を買ってみた。
  4. どんな汚れも簡単に取れるという高い洗剤を買ってみた。


 上記のようにお客様が期待を込めてお金を支払うシーンは無限にあります。そして、期待が膨らんでワクワクしていきます。この時点では悪い要因などは1つも考えず、商品やサービスに対してハードルはすっかり上がっています。

  1. 温泉の部屋はキレイで、ご飯もすごく美味しいんだろうな。
  2. 高い化粧品だから、シワが見えなくなるんだろうな。
  3. 新商品だから、前の暖房器具よりすぐに暖かくなるんだろうな。
  4. ずっと気になっていた台所の汚れが落ちるんだろうな。

 では、実際の商品を使ってみたり、サービスを受けてみて、どんな結果だったでしょうか。上記の期待通りであれば「よかった」という経験が残ります。期待を上回っていれば、ネットのレビューに★5をつけて絶賛コメントを書き入れるかもしれません。

 一方、期待を下回った場合は最悪な結果になります。まず、期待を裏切られたというショック、それを選んでしまったという後悔。

  1. せっかくの記念日に嫌な思いをして、台無しにされた。
  2. いつも使っていた安い化粧品と何も変わらない
  3. 今までの暖房器具の方がむしろ暖かかった。
  4. 汚れがぜんぜん落ちない。

 このような場合は後悔の念とともに、ふつふつと商品やサービスに対しての怒りがこみ上げてきます。このような期待を裏切られたことに対する怒りがクレームの始まりと言っても過言ではありません。

ポイント
お客様はお金を出して商品を購入したり、サービスを受ける以上、対価に見合う大きな期待を持っています。それが裏切られる結果となった場合、がっかりとした気持ちは怒りに変わり、クレームへと発展します。

お客様との目線の違いが原因になることも

■ お客様と従業員には温度差がある
 がっかりしてしまった温泉旅行を例に考えてみます。期待していた記念日の温泉でがっかりするケースとして、部屋が結構汚かった、従業員の接客態度が横柄だった、夕食がすごく待たされた、待たされた割に大したことなかった、など。

 お客様は記念日に特別な時間を過ごしたくて、その温泉を選択しています。一方、従業員は毎日温泉で働いていますので、何も特別な時間ではなく、いつも通りのルーチンワークをこなしています。

 あとは、従業員一人一人がお客様に対して、特別な時間を過ごしてもらえるような心構えをもっているかどうかです。そのような従業員教育がされているかどうかは、接客やサービス内容に顕著に現れます。

 クレームがあれば温泉旅館もお客様の思いに気づくことができますが、嫌な思いをしたお客様は特にクレームを言わないかもしれません。人知れず後悔をして、「ここには二度と来ない」という硬い決意をするに至ります。

 クレームがあった場合でも、それをお客様の大切な意見として受け止めるか、厄介な客が言いがかりをつけてきたと捉えるかでも、この先の結果は大きく異なります。

 勝手に過剰な期待をした客が悪いという気持ちが従業員に見え隠れしようものなら、二次クレームとして発展し、不満を漏らしただけのお客様がモンスター化してしまうことだってあります。

 クレーム対応をする際には、お客様がクレームを訴えてきたバックグラウンドを理解し、どうして不満を抱いたのかを把握することが大切です。

ポイント
お客様によっては、商品やサービスに対して特別な思いを持っている場合がありますので、従業員にとっては当たり前の毎日でも、お客様にとっては特別なことであるという認識を持つことが大切です。



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