お客様であろうとも、悪質クレーマーが行う脅しや迷惑行為は犯罪に該当することもあります。どこからが不法行為に当たるのかを理解し、被害が大きくなる前に警察に相談するようにしましょう。
悪質クレーマーと対峙した場合、相手は要求を受け入れさせようとして恐怖を煽るように怒鳴ったり、脅したり、暴力を振るったり、監禁したりすることがあります。
クレーム対応をする場合は、相手からの行為がどこまで許されるのか、どこからが犯罪行為なのかを把握し、犯罪行為を受けた場合は毅然とした態度で相手に不法行為であることを伝え、時系列で記録を残し、警察に相談するようにします。
悪質クレーマーも犯罪行為にならないようギリギリのラインで攻めてきますが、相手も人間ですので、感情的になって一線を越えてしまうことがあります。身の危険を感じた場合は「逃げる」という選択肢を最優先に考えましょう。
以下では、クレーム対応の場面で起こりがちな行為を例に挙げ、不法行為かどうかについて解説していきます。
お客様が怒りのあまり、大きな声で怒鳴ったり、机をバンバン叩いたりして相手を威嚇する行為を「恫喝」と言います。恫喝だけでは具体的な被害が出ていないため、罪に問うことはできません。
しかし、恫喝の流れで担当者に土下座による謝罪をさせようとすれば「強要罪」、怒りのあまり担当者に物を投げつけて怪我をさせれば「傷害罪」が適用されます。
また、店頭で怒鳴り続けることで著しく業務が妨害された場合は「営業妨害」にあたる可能性もあります。
会話の証拠を残すため、悪質クレーマーと話し合う場合にはボイスレコーダーによる会話の記録は必須です。しかし、録音しようとした時に相手が怒りのあまり、ボイスレコーダーを担当者から取り上げ、投げつけて壊した場合には「器物損壊罪」が適用されます。
クレームに対する謝罪や説明のため、お客様の自宅を訪問することがありますが、悪質クレーマーの場合は自分の要求が認められるまで担当者を家から帰らせないようにする場合があります。
この場合、担当者が「帰りたい」という意思表示をしているにも関わらず、家から出ることを妨害する場合には「監禁罪」が適用される可能性があります。
ただし、長々と話をしている限りでは適用されませんので、「自分は帰りたい」という意思表示をしっかりすることが重要です。
店舗や会社に対してクレームの電話をかけてくることは罪になりませんが、毎日長時間におよぶ電話を執拗にかけてきたり、1日に何十回、何百回と電話をかけてきて電話回線を使えなくした場合は、「営業妨害」と判断される場合があります。
大きな声で担当者を怒鳴っている最中に、悪質クレーマーが感情的になって担当者を手で突き飛ばしたり、胸ぐらをつかんで脅したりすることがありますが、これは「傷害罪」が適用される可能性があります。
担当者を怒鳴り散らしたり、罵声を浴びせて恐怖心を煽り、慰謝料などの名目で金銭を要求してきた場合、「恐喝罪」が適用される可能性があります。
また、謝罪や返品交換などでは納得せず、「謝罪文を出せ」「担当者を解雇しろ」などと言ってきた場合には、「強要罪」が適用される可能性があります。
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