クレームを解決に導くためには、お客様の話を聴くだけでなく、こちらの言い分も聞いてもらわなければなりません。感情的になっているお客様はなかなか話を聞いてくれませんので、耳を傾けてくれる話し方を身につけておきましょう。
クレーム対応の基本はお客様の話や言い分をしっかりと聞くことですが、いつまでも聞いているだけという訳にはいきません。お客様の話が一通り終わり、感情が落ち着いてきたところで、解決に向けた説明を始めます。
ここで注意しなければならないのが、自分の専門知識をたくさん盛り入れた長い説明です。言いたいことを我慢してお客様の話にしっかりと耳を傾けていた訳ですから、自分の順番が来たらたくさん話したくなる気持ちもわかります。
しかし、丁寧にしっかりと説明しようという気持ちだったとしても、長くて専門的な話は逆効果です。お客様の感情は怒りに満ちていたり、裏切られた気持ちであったり、やるせない気持ちであったりして、まだ何も納得していません。
このタイミングで担当者から長い説明、専門用語の多い説明を受けると、「わかっていないお客だな」と自分が馬鹿にされていると感じてしまい、説明の内容よりも、担当者の落ち度や言葉遣いなどの粗探しが始まってしまいます。
そうなると、本来のクレームから話が逸れてしまい、ただの厄介な二次クレームへと発展したことになりますので、クレーム対応がより長引いてしまいます。
お客様は担当者のダラダラと長い説明も、専門用語のあふれる説明も聞きたい訳ではありませんので、ここではわかりやすい言葉で、簡潔に説明することを心掛けます。
また、気持ちが焦ってしまうとついつい早口で余計な言葉までしゃべってしまいますので、気持ちを落ち着かせて、相手の反応を見ながらゆっくりと説明するようにしましょう。
お客様が感情的になっている場合、なかなか担当者の言うことに耳を傾けてくれませんので、相手が関心を持つ、聞いてみたくなる話し出しをする必要があります。
そのテクニックの1つが「数字を入れる」ということです。これはキャッチフレーズでもよく使われるテクニックで、話が上手い人はよく使っています。
話し始めの言葉に数字が入っていると「なんだろう?」という興味を持たせる効果があります。以下に簡単な例を示します。
感情的になっているお客様ほど、担当者が何か話そうとすると、自分を言いくるめるために長い話をするのではないか、専門用語で誤魔化そうとしているのではないかと疑ってしまい、なかなか話を聞いてくれません。
しかし、「1つ」とか「3分」という具体的な数字を聞くと、「1つってなんだろう?」「3分くらいならいいか」という感じで、聞く側が関心を持ち、聞いてくれやすくなります。
担当者が話を聞く立場から話す立場に切り替えたい時には、このような数字を話し出しに入れてみるテクニックを活用してみましょう。
お客様がクレームを言い、担当者が話を聞く、要求を受けるだけでは、担当者はお客様に対して何もしていないということになります。
厄介でこじれたクレームであればこそ、担当者がお客様に対して「何かをしてくれた」「努力をしてくれた」という印象を与えることで、お客様が納得しやすくなります。
また、お客様からの要求を受け続けるだけではなく、担当者が「何かをする」「努力をする」提案を、言われてやるのではなく、担当者から提案するというのがポイントです。
ここでする「担当者が努力する提案」とは、簡単なことで構いません。お客様の代わりに調べる、電話する、探す、説明するなど、担当者が比較的容易にできることでも、お客様に対して担当者が「努力している」「頑張っている」という印象を与えます。
そのような姿勢を見せることで、クレームがお客様にとって100%の解決でなかったとしても、「もういいか」という気持ちにさせ、解決を早めることにつながります。
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