お店や会社に非がないとわかった場合は、より慎重に対応する必要があります。一歩間違えればお客様に恥をかかせ、二次クレームに発展することもありますが、適切に対応すれば信頼関係を築いて常連客になっていただけることもあります。落ち度がない場合の対応方法について理解しておきましょう。
クレーム内容について事実確認をした結果、お店や会社に一切の非がない場合もあります。クレームの原因を大きく分けると、@商品やサービスに不備がある、A接客態度が悪い、そしてBお客様が勘違いをしている、の3つに分類されます。
お客様の勘違いや間違った使い方によるクレームは結構ありますが、この場合はお店や会社に非がない訳ですから、正しく説明することですぐに解決できるクレームでもあります。
■お客様の過失でも強く出てはならない
しかし、どんなにお客様の勘違いや間違いであったとしても、担当者がお客様に対して強く出たり、馬鹿にするような態度を取ることは決してあってはならないことです。
お客様は自分の間違いや勘違いを指摘されることで、非常にプライドが傷つけられています。商品やサービスが悪いと確信して怒りを担当者にぶつけてしまった以上、なかなか引き下がれない心境となっています。
そんな時に担当者がお客様を馬鹿にしたような態度を取った場合、行き場を失った怒りの矛先は、二次クレームとして接客態度の悪さに向かってしまいます。
■非がない時こそ言葉遣いに気をつける
担当者も非がない状態でお客様からクレームを訴えられ、落ち度がないにも関わらず怒られたわけですから、ここぞとばかりにお客様に言い返したくなる気持ちもわかります。しかし、このような状況でのお客様に対する言葉遣いは最も気をつけなければなりません。
もしここでお客様に恥をかかせるようなことをしてしまえば、そのお客様は二度と来店しないと言っても過言ではありません。もし自分がお客様の立場だったらと考え、お客様の間違いや勘違いを真正面から指摘するような言い方はやめましょう。
■一言の謝罪がお客様の気持ちを救う
クレーム内容が自分の間違いや勘違いであるとお客様が気づいた時、お客様の怒りは行き先を失い、面子が丸つぶれになってしまいます。そんな時、担当者があえて一言謝罪することで、お客様の気持ちは大きく救われます。
例えば、お客様が商品の使い方を間違っていた場合、そこを前面に押し出して指摘するのではなく、説明書がわかりにくかったこと、担当者からの説明が至らなかったことを一言謝罪することで、双方が丸く収まります。
担当者にとっては当たり前の使い方も、初めて使うお客様にとっては当たり前ではないという認識を持つことが大切です。
■謝罪する姿勢が信頼を向上させる
お客様も内心自分の間違いや勘違いであると気づいたわけですから、担当者が謝罪したからと言って、そこからさらにクレームを広げようとはしません。
むしろ、商品やサービスに非がないにも関わらず、担当者が謝罪をしてきたことで、お店や会社への信頼度が大きく向上し、今後もお客様であり続ける、常連客になってくれる可能性が高くなります。
謝罪するだけでなく、指摘していただいたことに対するお礼を最後に付け加えると、お客様は次回以降も来店しやすくなりますので、お客様への伝え方を工夫してみましょう。
■お客様を救う姿勢を見せることが大切
お客様の間違った使い方で商品が壊れてしまった場合、「お客様の過失だからお店は関係ない」という姿勢はよくありません。もちろん壊したのはお客様かもしれませんが、お客様も壊したくて壊したわけではなく、使いにくさ、わかりにくさが原因で、そのような悲劇が起きていると考えられます。
その場合、商品やサービスに非がない、落ち度がないと言っても、商品が壊れて困っている、怒っているお客様にただお引き取りいただくのではなく、なんらかの対応をする必要があります。
お店として無料で修理対応を行うのか、格安で商品を交換するのか、お客様に対して何ができるのかを伝え、落ち度がなくても対処する姿勢を見せることが大切です。
■親切な姿勢は口コミで広がっていく
困っているお客様に対して、あまり目先の損得で物事を考えることはよくありません。ここで一人のお客様を失った場合、不親切な対応がSNSや口コミとして流され、結果として多くのお客様を失うことにもなりかねません。
逆を言えば、お店や会社が困っているお客様に対して手を差し伸べることは、「このお店では安心して買い物ができる」という信頼関係の向上につながり、そのお客様が常連客になっていただける可能性も高くなります。
また、困っている時に助けられたというお客様の感動体験は、好意的な口コミとして広がり、将来のお客様確保にもつながってきます。
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